業界リーダー達の情報サイト

電子商取引の失敗を引き起こす10の間違い

LINEで送る
Pocket

企業間取引において電子請求書を使用すれば、確かにビジネスの効率は上がります。
しかしながら取引先が使用しているソフトウェアとの兼ね合いを考えると、必ずしもあなたの会社が求めている成果は得られないかもしれません。便利なアプリケーションを既存のシステムに無理矢理統合しようとしたり、社内にエンドユーザーを置くといったやり方では、プロジェクトは成功しないからです。

鍵となるのは、いかに多くのサプライヤーを新しいシステムにオンボード(参画)させるかでしょう。ビジネスを成功させるためには一定数のサプライヤーにシステムを利用してもらう必要がありますが、これがそう簡単にはいきません。

 

失敗を引き起こす10の間違いとは?

ではいったい何が問題なのでしょうか? 今回は、電子商取引におけるシステム導入がうまくいかない理由を、サプライヤーとの付き合い方を焦点に当てて見ていきましょう。

1.サプライヤーについての情報が不足している
企業が理想とするサプライヤーとの協力関係について、大手企業100社に調査したところ、企業側は各サプライヤーの基本データを十分に保持していなかったことが明らかになりました。これでは、サプライヤーに習慣的に利用してもらうために何をすればいいかが分かりません。当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、習慣的に使ってもらえない主な理由は、その対象がはっきりしていないからです。この情報の不足が、ほぼ全てのプロジェクトに悪影響を及ぼしています。

2.サプライヤー側のメリットを考えていない
次に最も一般的な問題として、サプライヤー側にとっては「それをすることで何のメリットがあるのか」というのが分かりにくい点です。普通これらのシステムはバイヤーに利益をもたらすようにできていて、サプライヤーには大きな負担が掛かります。片方にのみ大きな利益となる場合、その取引は成立しません。もちろんバイヤーはその立場を利用してサプライヤー側に圧力を加えることもできますが、サプライヤーがバイヤーを必要としているのと同じくらい、またはそれ以上に、バイヤーにとってもサプライヤーは必要だということを忘れないでください。ネットワークの利用が増えるのに伴って、そのメリットも増えていかなければなりません。

3.サプライヤー側のシステムが技術的に追いついていない
多くの中小企業が使っている経理関連システムは、取引先から要求されたデータ形式に変換する機能がありません。したがって、中小企業に共通したERP(業務ソフトウェアパッケージ)と標準化されたフォーマットのプラグ・アンド・プレイは絶対必要です。そして、その一連の手順を中小企業に提供する必要があります。例えばトレードシフトのCloudScan™を使うことで、中小企業は請求書のデータを保存・変換することができます。

4.サプライヤーに当事者意識を持ってもらえない
システムの規模の大小に関わらず、それらはあなたにとって重要なものだから、サプライヤー側にも是非加わってほしいと思うでしょう。しかしサプライヤー側にとって、そのシステムは自分たちが主導権を持って行われたものではなく、単に外部からのものです。そのため多くの場合、サプライヤーの当事者意識に欠けたままシステム導入をしても、成果を挙げることができません。このプロジェクトを成功させる鍵は、サプライヤー側の決まった人たちだけでなく、より多くの人々を参加させることです。そのため、まず業務を統括するプロジェクトリーダーがサプライヤーとのつながりを意識すること。そして、サプライヤーがオンボードしなければ、システム導入は失敗に向かうことを理解する必要があります。

5.時間と資金が足りない
時は金なりと言われますが、サプライヤーに対してシステムの統合を促したり、習慣的に利用してもらうために研修を重ねるなど、時間をかけすぎるのは大きな負担です。しかしながら、そうした時間を効果的に使うことで、サプライヤーとより近い関係を築けたり、良い結果をもたらすこともできます。ほとんどのプロセスを一つのネットワーク上で習慣的に利用してもらう場合は、特にサプライヤーとの良好な関係は重要です。トレードシフトでは「すべてのサプライヤーを一つのネットワーク上に」というコンセプトに基づいて、ベンダーとサプライヤーの良好な関係をサポートします。

6.的確なコミュニケーションがなされていない
上記の2で述べたように、バイヤー、サプライヤー双方にとってメリットがあることが必要ですが、それを「誰」に伝えるかも重要です。優れた機能や、過去の支払いへのアクセスが容易で取引機会が増加するなど、具体的なメリットがあったとしても、正しいメッセージを正しい人間に伝えなければ、それは意味のないものになってしまいます。的確なコミュニケーションは新たなシステムを利用してもらうための基本です。

7.ベンダー、サプライヤー双方のネガティブ思考
サプライヤーは、過去に失敗に終わった技術ベンダーとの契約の苦い経験や、これまでの古い習慣を引きずっているかもしれません。一方ベンダー側も、新しいサプライヤーを利益をもたらす存在とは思わず、負担だと考えている場合があります。新しい技術の導入は、専門家にしか分からない法律用語や事務的な仕事との戦いであったかもしれません。マーケティングキャンペーンを実行したり、他の新しい契約を結んだり、海外企業のオンボードが主要な目的であってはいけません。新しいシステム導入の目的は、サプライヤーと利益を共有できることであるべきです。

8.対等な取引相手だということを忘れている
これは忘れがちですが、現在取引しているサプライヤーはあなたの会社より大きくなる可能性があり、また、あなたのビジネスにとって不可欠なブランドや構成要素を所有する可能性があります。そのため、あなたの会社のやり方に従っていたサプライヤーが、ある日突然あなたの会社を違うプロセスに従わせる可能性もあります。そのため、サプライヤーグループの明確な分類(双方にとって有益な取引パートナーかどうか)や、柔軟性のあるネットワークを提供することが必要となってきます。サプライヤーに対して、あなたの会社とビジネスを行うためには習慣的にシステムを利用してもらう必要があることを納得してもらえるかどうかが、今後ビジネスを展開していくにあたり大事になってくるでしょう。

9.紙が不便だから電子請求書という安易な発想
紙を使用する不便さのため、近年ではインボイス(請求書)メッセージが注目されてきました。しかし、他に重要なことはないでしょうか? インボイスの提出のためだけにサプライヤーにシステムを習慣的に利用させるのは、別れの挨拶をするためだけに携帯電話を購入させるのと同じことです。発注書の出荷、出荷の進行状況の共有、インボイスのステータス確認、プロセスにおける責任者との情報共有、早期の支払いの受信などはどうでしょう? こうした一つ一つのプロセスをサプライヤーと確認することで、一気に利用する価値のあるもののように見えてきませんか?

10.新しいサプライヤーごとに新しい機能を追加している
特定の会社とだけコミュニケーションを取っている場合はよいですが、違う会社とそれぞれ別のシステムでやり取りするのは疲れます。しかし残念ながら、柔軟にカスタマイズ可能なシステムを採用しない場合、この問題は改善されることはなく、むしろ悪くなる一方です。新しいサプライヤーがオンボードするのに伴って、別の機能を新しく追加していくというふうに一時的に取り繕うよりも、プロセスの無駄をなくして合理化し、本当の解決策を見つけることをお勧めします!

これまで見てきた10の間違いにおいて、課題を解決していくのは非常に価値があることです。私たちトレードシフトは、これらの課題に正面から対処しています。それによって、あなたのビジネスは確実に進化していくでしょう。

 


トレードシフトは、サプライヤーの苦労を無駄にはしません。