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古い技術を脱ぎ捨てて、新しいあなたへ

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技術が廃れていくのは良いことです。

なぜならそれは新しい技術革新の始まりだからです。EDIや OCRは、そのよい例でしょう。

EDIとOCRはどちらも20世紀前半に生まれ、1970年代初頭より商業用として使われてきました。そのため、どちらもマーク・ザッカーバーグ(FacebookCEO)やイーロン・マスク(テスラモーターズCEO)、クリスチャン・ラング(トレードシフトCEO)よりも年配です。

デジタル化が当たり前となり、ミレニアル世代が主導権を握っている現在のビジネスにおいて、EDIとOCRがサポートできるシーンはもはや、ほとんどないでしょう。ですから、これらのサービスの使用をすぐにやめたほうが懸命です。

【EDIとOCRを今すぐやめたほうが良い理由】

•協調的でない
•直感的でない
•モバイルフレンドリーでない
•スピードが遅く、費用対効果が悪い
•アジャイルな変化をサポートする機能がない

特にエンタープライズ向けの商品・サービスを扱う企業のリーダーたちは、EDIとOCRがこれまで担って来た業務上のコスト削減や合理化という観点から、変化に対する柔軟性を重視する方向にシフトしています。変化の激しい現代のビジネスの中で生き残るために不可欠なものだからです。

11,000の企業・政府機関のデータを保持するハケット社の最近の研究によると、既存のEDIを今のビジネススピードに見合った柔軟性の高い、高性能なシステムに切り替えたビジネスリーダーは、単にコストを削減するのに比べ、最大で14倍の事業価値があることがわかりました。(参考/英語記事:http://blog.tradeshift.com/how-world-class-p2p-drives-up-to-14x-more-value-than-cost-reduction/

 

紙は永久に残る?

OCRのソフトウェア会社について考えてみましょう。BrainwareReadsoftKofaxの3社は、業務支援ソリューションを提供するレックスマーク の傘下に置かれましたが、これらの3社が一斉に紙やPDFドキュメントの使用をやめることはないでしょう。彼らのビジネスモデルと収入源は、紙が永久に存在することを前提としており、紙がなくなった時点で彼らのビジネスも終わるからです。

現在、OCRの役割は電子請求書発行用に紙をデジタル変換することだけです。OCRの役目は、ビジネスにおける紙の使用に終止符を打つことであり、今後の技術の発展や未来に貢献することではありません。

電子プラットフォームへの完全移行というオプションがある中でしか存在できないサービスに対して、文字認識率をたった1〜2%上げるためにお金を使う行為は馬鹿げています。2020年のデジタル化に関する議題として、紙文書の処理の最適化をあげるのは全く意味のないことです。

日本郵便には申し訳ありませんが、すべてのビジネスプロセスにおいて、書類の郵送は近いうちに絶滅するでしょう。

 

1対1通信では意味がない

EDIでの取引は常に1対1です。1対多のサポートはできないので、せっかくのネットワークを効果的に活用することはできません。EDIのVANの「価値」は、オープンテキスト(GXS や EasyLink等)や IBM(Sterling Commerce)などのサービスプロバイダーにとっては意味がありますが、バイヤーやサプライヤーにとっては何の意味もありません。EDI のVANの役割については、Gartnerの「IT Market Clock for B2B Solutions, 2014」でも説明されています。

さらに、EDI文書のやり取りにVANが使われていないケースでは、バイヤーとサプライヤー双方がEDIのサービスを確立・維持するために、専用ソフトウェアや専門のITリソースの整備・サポートに高いコストを払っていることでしょう。EDIを使った取引にかかる総コストは、マニュアルに記載されている金額よりも上回っている可能性が大いにあります。しかし、コストは大きな問題ではありません。それよりも、EDIがバリューチェーンの全体ではなく部分的なところにしか対応していないことにより、本来生まれずにすんだ障害に見舞われているのです。もしEDIの変更を検討しようとすると、数分数時間ではなく、何カ月もの間調節に費やす覚悟が必要になるでしょう。

 

今が勇退の時

私は、EDI と OCRにふわさしい退職祝いを贈りたいと思います。皆様の十分な協力があれば、1万ドル(約120万円)で売られている18カラットゴールドのApple Watch Editionをプレゼントしたいと思います。パーティーの後は、ゆっくりと今にふさわしい現実的な話をしましょう。

例えばクラウドベースのオープンプラットフォームは、バイヤーとサプライヤーを結びつけるために、ネットワークを無制限に拡大していきます。創造性や企業同士のコラボレーション、ビジネススピードに限界はありません。まさに私たちの古い友人EDI やOCRが思いもよらなかった変化を可能にするのです。

 


トレードシフトは、技術ではなく、「人」の快適さにフォーカスします。