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地ビールを軸に地域のブランド化

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この連載では地方創生時代にチャレンジを続ける、日本各地の改革者を紹介しています。

それにプラスして、ほんの少しのノウハウと、

それにまつわるITのサービスも同時にシェア。

今回は岩手県盛岡市で地元に愛される地ビールを手がけるキーマンをご紹介。

ドイツ人もうならせる美味しい地ビールに地方創生の鍵があった!

HAPPY READING!

 

地ビールはJリーグのクラブと並ぶ“地域の誇り”

 

「そうだ! クラブチームをつくって、Jリーグを目指そう!」

 

地方創生の目玉に悩む市町村で、こんな案が出たとします。

 

でも、プロスポーツチームの経営には、かなりの覚悟が必要。

無事に起ち上げたとしても、黒字での維持は、いばらの道です。

 

地域のブランド化のためには、

そりゃあったらいいです、Jリーグのクラブ…。

 

鹿島や磐田も、そんなチームがあるからこその知名度です。

 

鳥栖もJで戦っていなければ、東日本に住む人には、

なかなか知られにくい存在だったでしょう。

 

では、これに代わる次なる案は?

 

逆に問いたいです。

あなたの地域に地ビールはありますか、と。

 

あるなら、そのブランドを育てていきましょう。

そのブランドを磨き上げ、地域とセットで全国に広げましょう。

 

なければ、それをつくりましょう。

 

僕はJリーグのクラブチームが地域の誇りや軸、

知名度アップの要因になり得るように、

地ビールにも同等の力があると考えています。

 

今日は、そんな事例を岩手からお届けします。

 

名前は<べアレンビール>

ドイツの古き良き製造法にこだわる地ビール屋さんです。

 

僕のドイツ人の友人が言っていました。

「日本で最も美味しいビールは<べアレン>だ」と。

 

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今、日本で最も成功している地ビールの秘密

 

ドイツ人のことを伝えると、

「嬉しいですね」と無邪気に笑う嶌田洋一さん。

 

盛岡を拠点とする<べアレン醸造所>の創業者です。

 

その盛岡の飲食店で多く見かける「べアレンあります」の案内。

 

見渡せば地元の人が<べアレン>をグビグビ飲んでいます。

 

<べアレン>は地ビールにありがちな、

“観光客の記念の一杯”という類にとどまりません。

 

地元のリアルな“毎日のビール”という地位を確立しています。

 

この岩手での愛され方について、嶌田さんはこう説明します。

 

「それは私たちが岩手中をまわり、お客さまと楽しく一緒に飲んできた結果です」

 

<べアレン>の経営の軸は“童心”。

製造者という顔だけではなく、

ワイワイガヤガヤ地域市民を巻き込むイベント屋の顔も、

社員全員が持ち合わせているのが特徴です。

 

「私たちは月に5回、様々なビールを飲んで語るイベントを地域で開催しています」

と再び少年のように話す嶌田さん。

 

これには営業職のみならず製造スタッフも、月に最低1回は会に参加するのがルールだそう…。

 

「メディアで<べアレン>が褒められるのも嬉しいのですが、

目の前でお客さまの反応を見ることや、

『美味しいね』を共有できる瞬間に勝るものはありませんからね」

 

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「これまでも、これからも、地元のための地ビールを」

こうして地道に岩手のお客さまに価値を伝え、シェアを伸ばしていった<べアレン>。

 

2013年には、なんと岩手の全自治体で自社開催のイベントを行っています。

また、2015年には、ここまでのサクセスストーリーが一冊の本となっています。

ならば、このあとも右肩上がりで、どんどん全国に市場を広げそうなもの…。

 

しかし<べアレン>は積極的には県外に営業を展開していません。

 

他都道府県でも、いわゆる“いいお店”には<べアレン>が置いてありますが、

あくまで大事にしているのは地元・岩手です。

 

「そう、私たちが大事にしたいのは地元。

尊敬してやまない欧州の“伝統的なビール文化”を、

ここから発信することにこだわっています」

 

そんな姿勢が伝わっているのでしょう、

<べアレン>もまた岩手県民から応援されています。

その関係や位置づけは、まさにJリーグのクラブチームのよう…。

 

書籍『つなぐビール』(ポプラ社)が世に出てからは、さらにその関係は深まっているそうです。

 

「『もっと好きになった』と言ってくれるお客さまや、工場を訪れてくれるお客さま…、

一定の距離を保っていたお客さまもグッと寄ってきてくださったりして本当に嬉しく思います」

 

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ビールで起業? このツールで早めの黒字化!

地ビール/クラフトビールづくりを考えている方に、嶌田さんからラストメッセージです。

 

「“地域が誇る地ビール”になるには時間がかかります。

目先の売上も大事ですが、中長期的に愛されるためにどうするかがポイントです」

 

たしかに今クラフトビールはブームですが、

単にブームだからというだけの起業では、また他のブームに消し去られます。

 

その点<べアレン>は欧州の古いビール文化をバックボーンとし、

それをデザインやイベントに上手に活かしています。

このブレのなさが本物の成功を引き寄せています。

 

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最後に、そんな欧州発の便利なツール<トレードシフト>を、ご紹介します。

 

3人のデンマーク人によって起ち上げられた<トレードシフト>は

請求書の発行業務をネット上で簡便化できるサービスを軸に始まったベンチャー。

今は世界に7つのオフィス、社員数は200名を超えます。

 

最大の魅力は<トレードシフト>を使って仕事をしている企業(ユーザー)は、

みんなネット上でつながっているということ。

仕事のパートナーや足りない力も、このつながりの中から見つけることができます。

 

小さな会社も、大きな会社のようなパワーを起業初日から得られる頼もしい味方です。

 

トレードシフト:http://ja.tradeshift.com/

 

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ベアレン醸造所公式ウェブサイト:http://www.baerenbier.com/

本店ウェブショップ:http://baeren.jp/

ブログ(インナーチャイルドマーケティング):http://will-work-for-beer.com/

FB:https://www.facebook.com/baerenbier

書籍紹介ページ:http://tsunagu.beer/

アマゾン:http://www.amazon.co.jp/dp/459114660X

楽天ブックス:http://books.rakuten.co.jp/rb/13330341/

ベアレン:http://baeren.jp/tsunagu-beer