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ビジネスがスムーズになる2つの関係

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前回、五角錐経営プログラム(PPMP)では、「経営」を考える前提として、経営を支える「人」、その「人」が生きている環境である「自然」を大前提に考えるということをお伝えしました。今回はこの関係性について詳しく見ていきます。

 

あなたは正三角形? それとも逆三角形?

真ん中のレイヤーにある「人」を中心に考えてみると、「経営」と接する長さが仕事をしている時間であり、「自然」と接する長さが、睡眠や食事、休憩している時間であると考えます。こう考えると、図1のような形状であれば安定していますが、図2のような形状になると不安定になってしまうことがわかります。

 

図1

 

 

図2
図2

 

仕事に費やす理想的な時間

ワークライフバランスという言葉がありますが、1日24時間のうちどれだけ仕事に費やすのが理想か?と考えたとき、図1の長さを見てみれば8時間労働が理想だと言えるのかもしれません。しかし、現実は図2のように、たくさん残業をしている人が多いでしょうし、経営者に至っては寝ているとき以外は仕事のことを考えている人がほとんどでしょう。

 

ビジネスを始めるとき必ず最初にすべきこと

もう一つ、ビジネスにおける関係性を見てみます。ビジネスを始めるに当たって最初に行うことは、お客様のいる地域の自然、歴史、宗教、文化について知ることです。海外のお客様をターゲットにする場合は特に重要です。日本の場合は、国土が小さい、海に囲まれている、四季がはっきりしている、隣国と地続きの部分がない、湿度が高い、台風が来る、梅雨がある……といった自然の特徴があります。歴史・文化を見てみると、江戸時代に鎖国をしていた、第2次世界大戦で敗戦した、農耕民族、和を大切にする、仏教徒が多いが宗教色は薄い、外国人比率がとても低い、勤勉、学力水準は高いが英会話力は低い……という特徴があります。

一方、今、私がお店を出しているドバイの自然は、暑くて夏は50度にもなる、砂漠、四季がはっきりしていない、石油があまり出ない、雨がほとんど降らない……という特徴があり、歴史・文化は、遊牧民族、外国人比率が約8割、現地の人はイスラム教徒、44年の歴史しかない……という特徴があります。

 

図3
図3

 

ビジネス相手の生まれ育った背景を知る

これくらい、自然、歴史、文化の面で全く異なる国であることが理解できれば、人々の考え方、仕事に対するスタンス、交流の持ち方、何もかもが違うであろうことが想像できます。

実際、このアプローチで現地在住の方とコミュニケーションが少しずつ取れ始めてきており、現地入りしている日本人スタッフは、結婚式やセレモニーに参加することができました。また、政府高官とつながり、直接ドバイにおけるいろいろな手続きについて情報を得ることができています。日本を離れてビジネスを行うときには、日本のビジネスの常識、慣行からの意見や感想を述べる前に、現地の人の声にひたすら耳を傾けることが第一歩につながると思います。