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カギは「刺激的な人たち」の移住!?

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この連載では地方創生時代にチャレンジを続ける、日本各地の改革者を紹介しています。

それにプラスして、ほんの少しのノウハウと、

それにまつわるITのサービスも同時にシェア。

今回は長野県松本市をクリエイティブスペースに変えるキーマンをご紹介。

HAPPY READING!

 

単なる「移住者を増やしたい」の一歩先へ

「地方に引っ越したい。でも、仕事がない……」

地方創生の現場で、毎日のように聞くセリフです。

 

が、デザイナー、イラストレーター、ライターといった

描いたり・書いたりという仕事をしている人からは、

この類の話を聞きません。

 

もともと都市部でもフリーランスに近い格好で

働いていたということもあるのでしょう。

 

家族の理解を得るのも楽勝で、

サクッと地方に拠点を移す人が多いです。

 

終電生活に終止符。

たくさんのペットに囲まれながらMacを叩く、

幸せな生活を各地で始めています。

 

自治体は、どこも「移住者を増やしたい」と言います。

 

が、人口が減っていく日本で、どこもかしこも

「移住者を増やしたい」とは競争を意味します。

 

無駄な競争を避けるなら、

ここはどんなタイプの移住者を増やしたいのかを、

地域として明確にするといいかもしれません。

 

たとえば前出のデザイナーを含めた

クリエイティブ職の方々……。

 

移住者として迎えれば、

地域に眠る「いいもの」や「いいところ」を、

今風に発信するお手伝いを、

住民としてやってくれるかもしれません。

 

このタイプの人はアイデアも豊富。

刺激的です。

 

きっと地域で新しい “何か”を生む上でも、

大きな貢献をしてくれるでしょう。

 

地域活性化の土台に「コワーキングスペース」

「地域の改革にはクリエイターの力が大事」

 

こう考え、そういった人たちが集まれる場所を

長野県松本市につくった地域のキーパーソンがいます。

 

その名は中山拓郎さん。

場所は<KNOWER(S)>といいます。

 

いるだけで“デキル人”の気分
いるだけで“デキル人”の気分

 

平たくいえば、ここは「コワーキングスペース」。

 

起業したての人やフリーランスが共有のオフィスとして利用したり、

会社に勤めたり経営している人が情報交換の場所として集まる空間です。

 

まずは、なぜそれをつくったのか?

中山さんに聞いてみましょう。

 

「貸会議室や安価なシェアオフィスなら他にもあると思います。

大事なのは「場所を貸す」ということではなく、

ここを軸としたコミュニティが松本にできることです。

 

そこから新しい発想が生まれたり、アイデアを形にするチームがつくられたり…。

その動きに刺激されて、また他のグループが何かを始めたり…。

こんな循環を夢見て<ノウアーズ>をつくりましました」

 

なるほど…。

<KNOWER(S)>は、かなりオシャレにやっています。

その狙いはどこにあるのでしょうか?

 

「何かを生み出すなら無機質な環境よりも、

『何かが生まれそうな雰囲気』があった方がいいと思い、

オリジナリティのある空間に仕上げています」

 

クリエイティブが地域にもたらす “プラス”

オシャレな場所には、クリエイティブな人が集います。

 

実際<KNOWER(S)>にはクリエイターと、

そこに刺激を求める人たちが続々やってきます。

 

デザインや文章、写真や映像など、

クリエイティブな人たちは伝達力に長けています。

 

その力は地域の宝に新たな命を吹き込みます。

 

クリエイティブな人たちは、ゼロからイチをつくるのも得意。

それは地域での起業や雇用創造につながります。

 

「クリエイティブな人たちの持つ力に気づく」

「彼らが地域にもたらす “プラス”を知る」

 

答えがない時代の地方創生において、

この理解が成功のカギなのかもしれません。

 

そこに前から目をつけていた中山さんは、こう続けます…。

 

「これからも『クリエイター X ○○』に、こだわりたい。

○○は農家さんだったり、地元に昔からある事業だったり、観光だったり…。

地域とクリエイティブな人をつなげれば新しい価値がつくれます。

それを松本で生み続けるハブ役になりたいです」

 

目の付けどころもクリエイティブ!
目の付けどころもクリエイティブ!

 

各地域に「あったらいいな」と思わせる、オシャレなコワーキングスペース。

各地域に「いたらいいな」と思わせる、クリエイターの理解者兼ハブ役。

 

このふたつをクールにやっている中山さん。

地方創生の最先端な事例です。

 

好きなところに住み、好きな仕事をする

クリエイターと地方に関する話の最後に、ネットの便利なサービス<ランサーズ>をご紹介。

<ランサーズ>は全国のクリエイターが多数登録しているサイトです。

 

あなたが新しいロゴデザインを依頼したいと思ったら、

ここでオーダーを出すだけで全国のデザイナーたちが提案をしてくれます

(お題やフィー次第ですが、ひとつの発注に150以上の提案が集まることも)。

 

コンペ方式なので、あなたはそこから選ぶだけ。

選んだデザインにのみ支払いをして、あなたの新ロゴは完成です。

 

見方を変えれば、これは都市部のクリエイターが

地方移住を決断する際の材料にもなり得ます。

 

都市にいないと仕事が得られないと考えていたクリエイターも、

<ランサーズ>があれば仕事に困りません。どこにでも住めます。

 

好きなところに住み、好きな仕事をネットで選び、

好きな仲間とオシャレな空間(コワーキングスペース)や自宅で、

好きな時間に作業をする…、こんな楽しい大人が、もっと増えるといいですね。

 

中山さんも、こう言います。

「何だかんだで僕も『楽しい・面白い』を追求した結果、今の仕事に行き着いたんです(笑)」

 

そう、地方創生で優先すべきは、いつだって「楽しい」「面白い」です!

 

4章目の写真

 

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