業界リーダー達の情報サイト

「Slush Asia 2016」にトレードシフトジャパン代表の大久保が登壇 「北欧と日本の意外な共通点」

LINEで送る
Pocket

世界から起業家や投資家が集まるスタートアップイベント「Slush Asia 2016」が5月13日と14日の2日間で開催され、トレードシフトジャパンの代表を務める大久保紀章が北欧発の起業家と討論するパネルディスカッションに登壇した。

イベントは、ソフトバンクグループ代表取締役副社長のニケシュ・アローラ氏の講演で始まり、DeNA創業者の南場智子氏、厚切りジェイソンの名前で知られるテラスカイ グローバルアライアンス部長のジェイソン・ダニエルソン氏など世界の著名な起業家が登壇し、若いスタートアップ企業や投資家に熱いメッセージを送った。

DSC00422

 

北欧と日本企業の類似点

デンマーク出身のエンジニアが創業し、現在米国・サンフランシスコに本社を構えるトレードシフト。その日本法人であるトレードシフトジャパン代表の大久保が登壇したノルディック(北欧)セッションでは、フィンランドでプログラマーやイラストレーター、絵本作家としても活躍しているリンダ・リウカス氏、 スウェーデン発のポッドキャスティングのプラットフォームを提供するAcastのCEOマンス・ウルベスタム氏、 スマートフォンやデジタル家電などに対応するボタン型の万能リモコンを販売するShortcut Labs共同創業者のアミール・シャリファット氏とともに、北欧と日本の企業文化とその類似性などについて話し合いが行われた。

大久保とアミール氏は、北欧と日本企業の類似点として、企業が自社をアピールする際のポイントについて言及。その企業がどういうインパクトを社会に与えたいかというビジョンよりも、どういう製品やサービスで、どのような便益がユーザーにあるのか、という「製品・機能」を重視する傾向があると指摘した。アミール氏自身、米国で投資家向けのプレゼンをする際に、企業ビジョンを10分、製品紹介を40分の配分でプレゼンしたところ、米国の投資家から驚かれたという。「一般的な米国のスタートアップはその逆。企業のビジョンを40分、製品紹介を10分程度で終わらせる。より具体的な機能やディテールに重点をおくのは北欧と日本の共通点だ」と語った。

 

登壇者の中で唯一の日本人として日本の特性を語るトレードシフトジャパン代表の大久保
登壇者の中で唯一の日本人として日本の特性を語る当社代表の大久保

 

北欧人にもある本音と建前?

また、リンダ氏は北欧や日本はともにテクノロジーに強みを持つことについて言及。米国や中国などの大国と異なり、国土が小さい地域から世界を大きく動かす様々な技術を提供しているところに類似点があるという。マンス氏は双方のコミュニケーション方法に着目。日本人が”maybe”を使うときは”No”に近い意味、フィンランド人が”Yes”というときは「同意した」というよりも「聞いた」という意味に近く、双方の言葉の表現には言葉本来の意味だけでなく、その裏にある空気を含めた意味合いを持つ場合が多いという。

今後は様々な類似点をもつ北欧と日本でより多くの情熱を持った起業家が現れ、地域間の交流が深まることをパネリスト全員が共通認識として持っていることを確認し、パネルディスカッションを締めくくった。