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経理の自動化はどこまでできる?
請求書処理・承認・支払を効率化する方法

「経理の自動化を進めたいが、実際どこまでできるのかわからない」
「RPAやOCRを入れたものの、期待したほど工数が減らない」

経理部門のマネージャーの方なら、一度はこうした悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。

月次決算のたびに繰り返される請求書の確認、仕訳の入力、承認の催促、支払データの作成。個々の作業は小さくても、積み重なれば大きな負担となり、ミスや遅延、属人化といったリスクにもつながります。

本記事では、経理の自動化で何ができるのかを整理したうえで、請求書処理・承認・支払の各工程を効率化する方法と、自動化の効果を最大化するための考え方を解説します。

経理の自動化とは?「作業の置き換え」だけでは限界がある

経理の自動化とは、これまで人が手作業で行っていた経理業務を、システムやツールによって自動で処理できるようにすることです。請求書のデータ化、仕訳の起票、承認の回付、支払データの作成など、対象となる業務は多岐にわたります。

ここで押さえておきたいのは、自動化には「作業を置き換える自動化」と「業務の前提を変える自動化」の2種類があるという点です。

たとえば、紙の請求書をOCRで読み取ってデータ化する取り組みは、前者にあたります。手入力の手間は減りますが、読み取りエラーの確認や補正は人が行う必要があり、「書類を受け取って人が確認する」という前提は変わっていません。

一方、請求書を最初からデータとして受け取り、ルールに基づいて自動で照合する仕組みは、後者にあたります。確認作業そのものが不要になるため、人が対応するのは例外処理だけになります。経理の自動化で大きな成果を出している企業は、この「前提を変える」視点を持っているのが特徴です。

経理業務はどこまで自動化できるのか

経理業務の中でも、特に自動化の効果が出やすい領域を整理しておきましょう。

工程自動化できる内容難易度
請求書の受領・データ化 受領、読み取り、データ登録低~中
仕訳入力 請求データからの自動仕訳 中
承認 ルールに基づく回付、催促、状況の可視化低~中
照合 発注・検収・請求の突き合わせ中~高
支払支払データの作成、振込連携中
例外対応・ルール設計 一部のみ(人の判断が必要)高 

定型的な処理の大部分は自動化の対象になります。一方で、取引内容の妥当性の判断や、例外が起きたときの対応、ルールの設計といった領域は、人が担う役割として残ります。経理の自動化とは、人を不要にすることではなく、人が担うべき仕事を「処理」から「判断と設計」へ移すことだといえます。

請求書処理・承認・支払を効率化する4つの方法

請求書の受領から支払までは、一本の流れでつながっています。そのため、どこか一つの工程だけを自動化しても、前後の工程が手作業のままでは、効果が頭打ちになりがちです。

ここでは、業務の流れに沿って4つの方法を紹介します。それぞれ単独でも効果はありますが、上流から順にデータでつないでいくほど、後工程の確認作業が減っていくでしょう。

方法1|請求書の受領をデータ化する
自動化の起点となるのが、請求書の受領です。紙やPDFで届く請求書は、OCRを活用すればデータ化できますが、読み取り精度に左右されるため、確認や修正の工程が残ります。

より効果が大きいのは、請求書を最初からデータで受け取る方法です。電子インボイス(Peppol/JP PINT)のように、構造化されたデータ形式でやり取りする仕組みを活用すれば、受領した時点でシステムがそのまま内容を読み取れます。2024年1月からは電子帳簿保存法により、電子取引で受け取った請求書は電子データのまま保存することが義務化されているため、法対応の面でも有利です。

方法2|仕訳入力を会計ソフトと連携して自動化する
請求データを会計ソフトに連携することで、仕訳の起票を自動化できます。転記ミスが減るだけでなく、月末に集中しがちな入力作業の負担を平準化できるでしょう。

ただし、連携元となる請求データの品質が低ければ、自動化の効果は限定的となります。また、PDFや紙が起点の場合は、OCRの読み取り結果を人が確認する工程が残ります。入力の自動化は、受け取る段階でデータが整っていることが前提になるといえるでしょう。

方法3|承認フローをルール化して自動で回す
承認の遅れは、月次決算や支払遅延の大きな原因となります。紙やメールでの回覧では、どこで止まっているのかが見えず、催促にも手間がかかります。

承認フローをワークフローとして電子化し、金額や取引先に応じた承認ルールをあらかじめ設定しておけば、回付や催促は自動で行われます。承認状況もリアルタイムで把握できるため、マネージャーが「止まっている案件」を中心に対応できる環境が整います。内部統制の観点でも、誰がいつ承認したかの記録が残る点は大きな利点と考えられます。

方法4|支払データの作成を自動化し、照合まで一気通貫でつなぐ
承認された請求データから支払データを自動で作成し、銀行システムなどと連携すれば、支払業務も大幅に効率化できます。さらに、発注・検収データと請求データを自動で突き合わせる「三方向照合」を組み合わせれば、請求内容の妥当性確認も自動化できます。

ここまで来ると、請求書の受領から支払までが一本のデータの流れとしてつながります。個別のツールを導入するだけでは実現が難しく、プロセス全体を見渡した設計が必要になる領域といえるでしょう。

経理の自動化を進めるときの注意点

経理の自動化を進めるうえで、管理職の立場から押さえておきたいポイントがあります。

部分最適に陥らない
請求書、仕訳、承認、支払の各工程でツールを個別に導入すると、データが分断され、かえって確認作業が増えることがあります。まずは業務全体のフローを可視化し、どこにボトルネックがあるのかを見極めましょう。

取引先の対応状況を確認する
電子インボイスやデータ連携は、取引先も対応している必要があります。特に中小企業との取引では、相手方の準備状況を確認しながら、段階的に移行することが現実的です。

内部統制を損なわない設計にする
自動化で承認や照合のプロセスが簡略化されても、統制が弱まってはいけません。例外時の対応ルールや、システム上の記録の残し方を、導入前に設計しておくことが重要です。

人の役割の変化を見据える
自動化が進めば、経理担当者の仕事は入力や確認から、例外対応やルールの設計・改善へと変わっていきます。担当者のスキルや役割をどう再設計するかも、あわせて検討しておく必要があります。

経理の自動化をデータでつなぐ

経理の自動化、特に取引先とのデータ連携は、自社のシステムを整えるだけでは実現できず、サプライヤー側の巻き込みも必要になります。

Tradeshift(トレードシフト)は、購買・請求・承認・支払までの取引プロセスを、取引先も含めてデータでつなぐプラットフォームです。取引先が送信したデータは受領前に自動でチェックされ、整合性が確認されたデータだけが社内に取り込まれます。これにより、経理担当者は確認や照合の作業から解放され、例外対応やルール設計といった、より付加価値の高い業務に時間を割けるようになります。

また、電子インボイス(Peppol/JP PINT)にも対応しているため、請求書受領の自動化から承認、支払までを、ひとつのプラットフォームで一気通貫に実現できる点も特長です。

自社の経理業務がどこで分断しているか、まずはお気軽にご相談ください。

経理の自動化は、業務の前提を変えることで効果が出る

経理の自動化は、請求書の受領から仕訳、承認、支払データの作成まで、定型的な処理の大部分が対象になり得ます。一方で、取引の妥当性の判断や例外への対応、ルールの設計は、引き続き人が担う領域として残ります。

・自動化できる領域:請求書の受領とデータ化、仕訳の起票、承認の回付と催促、照合、支払データの作成
・人が担う領域:例外対応、承認ルールの設計、内部統制の見直し、取引先との調整

「どこまでできるか」を突き詰める前に、まずは「どこから手をつけるか」を決めることから始めましょう。月末に残業が集中する工程や、差し戻しややり直しが多い工程など、負担の大きい箇所を洗い出すことは効果的です。そのうえで、その工程の前後がデータでつながっているかを確かめることが、自動化の効果を大きく左右します。

小さく始めて、つなぐ範囲を少しずつ広げていく。その積み重ねが、経理部門を「作業を回す部門」から「判断と設計を担う部門」へと変えていくはずです。

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