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売上アップの方法

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これまで私が役員や顧問を務めさせていただいてきた会社は、起業前の会社から上場会社まであり、業種も、小売業、製造業、商社、人材派遣業、美容室、教育事業、不動産業、医療法人、士業、NPO法人などがあります。なぜ、こんなに幅広い業種に対応できているのかと言いますと、私の能力が高いからではなく、「どんな会社でもビジネスの本質は同じである」ということを理解し、各会社の状況を分析して、やるべきことを明確にできているからです。

 

売上を増やすために足りないもの

 ご相談内容として最も多いのは、「売上を増やしたい」というものです。PPMPで言えば、「カネ」を大きくしたいということです。「カネ」を大きくするためには、「モノ」を使います。もし「モノ」が十分に魅力的であるなら、「カネ」を大きくするのは容易でしょう。キャッチコピーを変えてみるとか、Webによる集客を強化してみるとか、紹介システムの柱を増やすなど、さまざまな方法が考えられます。こういうケースでは、売上が増えるのは時間の問題です。

 

 

 

しかし、私が相談を受けるケースでは、「モノ」が十分に魅力的であるとは言えないケースが多いのが現実です。経営者自身は、一生懸命に自社商品がいかに魅力的であるか、ライバル会社の商品とどれだけ差別化できているかについて説明してくれるのですが、残念ながら少しズレているのです。何からズレているのかと言いますと、「お客様が本当に欲しがっているもの」からズレているのです。この「お客様が本当に欲しがっているもの」というのは、PPMPでは「情報」に当たります。

例えば、「東京都内のカフェはいつも賑わっている。スターバックスはコーヒーにこだわりをもって提供している。また、コンセントをたくさん準備しているお店も賑わっている」という情報があったとします。このレベルの「情報」で「モノ」を提供しようとすると、「東京都内でおいしいコーヒーを格安で提供し、コンセントの使える席をたくさん用意したカフェ」を作ることになるでしょう。しかし、実際にカフェで過ごしているお客様に、「なぜこの店を利用しているのか?」「何か不満はないか?」という質問を本音で回答してもらえたとしたら、きっと違うサービス提供をすることになると思います。

私自身、よくカフェを利用していますが、「コンセントのついている席はいつも満席で利用できない」「Wi-Fiを使いたいのに準備していないカフェがたくさんある」「電話で話をしたいけれど、隣の人に聞こえるのは良くないし、迷惑をかけるので、いちいちお店の外に出て話をしなければならない」「資料の印刷をしたいけれど、その場合は別の(オフィスサービスを提供している)お店に行かなければならないので面倒だ」「少しお金を払ってもいいから、1時間くらい眠って体力を回復させたい」という思いがあります。もし、私と同じことを考えている人が何人もいたとしたら、提供すべき「モノ」は、カフェではないはずです。既存のカフェの概念にとらわれないサービス提供をすることになり、その結果、客単価も格段にアップするはずです。

 

 

 

「何をどうすれば売れるか」で売れないものも売れる

私が出店しているドバイのお店も同じです。日本パビリオンには約30のブースが出ていますが、うちのブースが一番売上をあげています。同じ商品を取り扱っていても、他のブースで売れないものがうちのブースでは売れるのです。その理由は、いかに「情報」を集めているか、という部分にかかっていると思います。

他のブースは、「これを売りたい」という気持ちを前面に出すか、「何が売れるか」を探ろうとしています。しかし、うちのブースは「何をどうすれば売れるか」ということを見極めるために、お客様と積極的にコミュニケーションを取っているのです。「どこから来たのか?」「(旅行者なら)いつまでいるのか?」「アニメは好きか?」などと質問したり、あめを買ってくれる人がいれば、「一人で食べるのか?」「お土産で持って帰るのか?」「どういう味が好みか?」ということまで聞いたりします。他にもたくさん「情報」を出してもらっています。それらの「情報」から、提供する「モノ」を微妙に変化させていっているのです。

オープンして2カ月間は、高額な着物が売れなかったのでほとんど日本に持ち帰ってきました。ところが、ある日から急に着物が売れ始めたのです。その結果、急きょ持ち帰った着物を再びドバイへ持っていきました。そしてすぐに売り切ったのです。これは、ある販売スタッフがうまくお客様と接してくれたおかげです。無理だと思い込んだ時点で終わりです。商品を売ろうとせずに、何をどうやって提供するべきか判断する情報を出してもらうことに専念するのです。「情報」を大きくすることで「モノ」が大きくなり、その結果「カネ(売上)」が大きくなっていくのです。